幹線道路から少し入った閑静な住宅街。
周囲は住宅が立ち並ぶ立地のため、プライオリティの高い要望として「プライバシーの確保」がありました。
プライバシーを確保しつつも閉塞感が感じられないよう中庭を核とし、周囲にLDKを配置する計画にしたことで中庭に面した大開口と吹き抜けから陽射しが降り注ぎ、心地いい風が通り抜ける室内環境ができ上がりました。
1階は廊下を無くし、デッキを敷き詰めた中庭とLDKがひとまとめの大きなワンルームとして存在する。そのような構成が、外部環境から閉ざされた状態でありながらも開放的な室内空間を成立させる一翼を担っています。
落葉樹であるアオダモを植えたことで、部屋にいながら新緑や紅葉など四季折々の姿を楽しむことができる中庭に。
朝食をとったりバーベキューや読書、夏にはまだ小さなお子さんが水遊びをしたりと、小さな中庭が日々の暮らしに彩りを与える場となってほしいと願っています。
和歌山市の市街地にほど近い場所にある住宅。前面道路が狭くまわりの住宅との干渉が気になる敷地環境でした。
そのため前面道路からもっとも後退した部分にリビングを配置することでプライバシー性を高め、落ち着いて過ごすことのできる居場所となる様計画しました。
リビングの東南2面に設けた大きな吹き抜けの開口部より日差しを取り込み、風が抜け、明るく心地いい空間になっています。
外壁はコスト調整を図るため大部分にサイディング張りを選択しつつ、単調にならないよう窓でデザインをつけ、
無塗装サイディング+リシン吹付仕上を採用しました。
グレージュの落ち着いた色合いとリシンのテクスチャーが外観を印象的に演出してくれています。
小高い丘の上の住宅街にあるクリニック。
南紀白浜にほど近い自然があふれる場所に立つ、透析センターが併設されたクリニックです。
周囲に高い建物が無い住宅街の環境を損なわないように、平屋建で計画とする事を選択するとともに、木造とすることで杭工事を不要にするなど随所にコストを調整するための工夫を凝らしています。
耐震等級3をクリアする構造計画とし、停電、断水時にも対応可能な様に非常用発電機を設けるなど災害時でも安心して医療を提供できる環境を整えました。
建物は前面道路より4m後退させてバッファゾーンとし、その部分に通り抜けができる植栽スペースをつくりました。
引渡し後に訪れた際、こどもたちが木々の間を通り抜けて通学していたことが嬉しく、印象深い思い出として残っています。
大阪南端の岬町にある福祉施設。
鉄骨造3階建て、住戸数28戸の住宅型有料老人ホームです。
主要な幹線道路が敷地境界の東に面していたため喧噪を和らげる目的で南北に面して居室を配置する中廊下型の住戸計画としています。
プライバシーが守られ、静かな環境で生活を送ることのできる環境が大切との思いで、管理+パブリックゾーンの棟と居住ゾーンの棟に分離して配置し、両棟を廊下で接続させたH型の平面形状としています。
また隣地にはデイサービスセンターを併設し、充実した介護サービスを提供できる環境を整えています。